古谷彰子
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古谷彰子愛国学園短期大学准教授

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

なぜアンコウ鍋は冬に重宝される? 栄養価が高い成分が豊富

公開日: 更新日:

「東のアンコウ、西のフグ」といわれるほど珍味として重宝されているアンコウ。江戸時代には水戸藩から将軍家へ献上されたこともあり、東の代表格の魚でしたが、現在は全国で食べられる魚で、アンコウ鍋は冬の風物詩です。

 英語では「anglerfish」(釣りをする魚)とも呼ばれ、主としてプランクトンや小魚を食べます。種類によっては小さなサメ、スルメイカ、カニ、ウニなども食べ、まれに水面に出てカモメやペンギンなどの海鳥を襲うこともあるそうです。

 そんなアンコウは「背骨以外、食べられないところはない」といわれ、キモ、身、エラ、皮、トモ(ひれ)、ヌノ(卵巣)、水袋(胃)を「7つ道具」と呼び、さまざまな味覚を楽しむことができるのです。

 では、栄養価はどうでしょうか。アンコウの身は軟らかく、水分が約85%含まれるため、100グラム当たり58キロカロリーと低カロリーで良質のタンパク質を含みます。脂質と炭水化物は0.2~0.3グラムと、ほぼ含まれていません。

 一方、キモは脂質が多く、100グラム当たり445キロカロリーとエネルギーは高め。しかし、それだけにかなりの栄養素が含まれるのです。

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